ギャンブル依存の体験と回復に至った経緯

ギャンブル依存の体験と回復に至った経緯 コラム

私は10代~20代のころパチンコ店に頻繁に通っていました。とくに夢や目標がなくフリーターをしていて、休日はパチンコ店に行くことが多かったです。とくに26歳~27歳のころはパチンコ店に行く頻度が多くなりました。

ギャンブル依存の苦しみ

当時は単発の派遣バイトで肉体労働をしていて、1日8時間働いて7000円くらい。やりたい仕事ではなく、しんどいけど生活の為に働いていました。そこから家賃や食費を捻出するので、使えるお金はそう多くはありません。

数日分の給料をもらうと、少しだけ使っても平気だと頭によぎると、いつの間にかパチンコ店に吸い込まれています。最初は3000円でやめとこうと決めていても、だんだん熱くなり、財布の中にあった数万円を全部使ってしまうのです。しんどい思いをして得たお金が、あっという間になくなっているのです。

やりきれない気持ちをどうすることもできず、家に戻るのでした。その苦しみ、不条理感を幾度となく味わったのです。

その生活が続き、元が取れたらやめようと思いつつも、

  • 勝つと、また行きたくなる
  • 負けると、元を取り返したくなる

つまり、どう転んでもまた行きたくなって抜けられないのです。まさにギャンブル依存でした。

借金こそしなかったものの、数年間にわたりその繰り返しが続いていました。

また長時間パチンコ店にいると、現実と乖離している感覚になって日常の仕事や友人関係がどうでもよくなっていきます。現実に戻るのも辛くなってくるのです。

ギャンブルに自分の中に大きな空虚感

なぜ苦しみしかないのにパチンコ店に行ってしまうのは、自分の中に大きな空虚感がありました。それをギャンブルの「刺激」で埋めようとしていたのです。自分と向き合うことが苦しくて、現実逃避してしまうのです。

頭の片隅ではその仕組みをうっすら分かっていても、意思の力ではどうにもならない感覚がありました。

その空虚感はどうにかできるなら、どうにかしています。どうにもできそうにないから苦しいのです。

そうして、現実逃避している期間は、現実が進まずに余計に苦しくなるという負のサイクルになっていました。

苦しみの限界に到達する

そんな苦しみの生活を繰り返していると、やがて苦しみの限界がやってきました。

それは「このままでは生きていけなくなる」と感じたこと。ギャンブルをしていても苦しみしか生まない続けると現実はもっと苦しくなる。そう悟ったときに、ギャンブルをしないと決めたのでした。

同時に、単発の派遣バイトを抜け出すため、パソコンを使う仕事のスキルを身に付ける勉強しようと思ったのです。そうするしか選択肢がなかったのです。

再度ギャンブルをすると、今までの苦しみが無駄になる

一生ギャンブルをしない。もしパチンコ店に行ってしまうと、今までの苦しみは無駄になるような気がしたのです。せっかく苦しんだのだから、絶対にしてはいけないと心に刻み込んだのです。

とにかくパチンコ店に行かないこと。街中でトイレに行きたくてもパチンコ店は絶対に利用しない。友人に誘われても行かない。パチンコ店を想像するものを生活の中から排除しました。すると、本当にパチンコ店に行かなくなったのです。

それ以降はパチンコの誘惑はなかったものの、よくパチンコをしている夢をみました。「あれ、俺はパチンコしてはいけなかったのでは?」と半信半疑な状態で、目が覚めると夢だと気づくのです。「あー、夢でよかった」と心をなでおろすのです。

その夢は10年~12年くらいにずっと見続けるのでした。それだけ頭の中がギャンブルに侵されていたのでしょう。

次第にその夢も見なくなり、本当にパチンコとは無縁の生活になったのです。人って変われると実感しました。

以降は勉強に身が入り、ほどなくしてインターネット関連の会社にパートで働くことができました。空虚感がなくなったわけではありませんが、ギャンブルによる二次災害がなくなったことで、生きやすくなりました。

最後に

私の場合はギャンブル依存でしたが、これはホスト依存も似たような原理が働いていると思います。
依存状態の真っ只中にいると、自分の意思でコントロールできるものではないと思います。苦しみが限界に到達してようやく目が覚めるのではないでしょうか。

その経験から、依存してしまう前に対処できることに越したことはないと思います。