2024年10月に大阪のホストクラブで、お客さんに対して高額の料金を消費者金融から借りさせて支払わせた事件がありました。
警察は新人向けマニュアル「一撃講習」(俗に一撃男子ともいう)を押収し、中身が公開されたので私の感じたことお伝えします。
マニュアルの中身
【ターゲットの選別】
- 彼女であること
- 昼職であること
- 20歳以上であること
- ホストについて知識がないこと
ホストクラブへの来店がほとんどない女性を、マッチングアプリで知り合い、デートを重ねて彼女と信じ込ませる。
自らホストであることを言うが、店に来てとは言わない。ある日、「お店のミーティングに遅れる、同伴してくれたら罰金は免れる」と話し、ホストクラブに連れて行く。
【店内での振る舞い】
- 女の子が正常な判断が不能になるほど酔わせる
- 適当なシャンパンを開ける
- 値段は出さない、言わない、提示しない
その後、「消費者金融で上限マックスになるまで借りろ」と脅し、女性は複数の消費者金融から借り入れて108万7千円支払いさせた。
他のホスト関係者は「どこの店舗でもあるある」と言っている。
ホストクラブにはマニュアルがある
摘発されたホストクラブが独自で作った内容だが、ほとんどのホストクラブでこの内容と似たマニュアルが存在するでしょう。
このマニュアルは、消費者金融で借りさせるという犯罪行為に該当するため、やや独自なのかもしれません。他のホスト関係者がいうように、近いことをしているお店が多いと想像がつきます。
私なりの感想
まず、ターゲットを絞っていることが巧みであること。
- 彼女であること → 高額なお金を使ってもらえる
- 昼職であること → お金を稼げる能力がある・夜の世界を知らない・カードが使える
- 20歳以上であること → 法律に触れない
- ホストについて知識がないこと → ホストにハマりやすい・知識な少ない
ホストは利益を追求しているので、ある意味当然と言えるかもしれません。
マッチングアプリで出会うのも、現在は標準となっているようです。ホストについて知識がないことで、高額は支払いにも応じる可能性が高いと考えられます。
最後に消費者金融で借りさせるためには、クレジットカードを持っていること必要なこともあり、「昼職」が盛り込まれているのでしょう。
当マニュアルは、一回の来店で最大限の利益を上げることを目的としているようですが、多くのホストクラブはこのやり方をしているとは思えません。
長期的にホストクラブに通ってもらう方が、利益になると考えるでしょう。ホスト通いをすると、昼職でなくても、夜職を紹介して毎月数十万円、年間で数百万円の支払いが期待できるのですから。
当マニュアルは法律に触れた為に事件となったといえます。逆にいうと、法律に触れなければ事件になりません。多くのホストクラブは法律に触れないように、最大限利益を得ることを心がけていると思います。
現在ホストクラブに通っている方は、このホストクラブは悪質だとしても、今、通っているホストクラブは安全ということにはなりません。1回の支払いはなんとなる金額にしておいて、長期的にはかなりの金額になっている場合が多いからです。
マニュアルは誰が作るのか
お店のオーナーや店長などの責任者でしょう。お店を作る人は、ほぼ間違いなく元ホストであり実務経験も豊富です。
つまり、どのようにしたら売り上げが上がるかを熟知した人物が、自らの経験を踏まえて作成しているのでしょう。
新人ホストが働きだして、短期間で売り上げるための最短ルートが記されています。ホストクラブは強い縦社会であり、昼間のやさしい社会ではありません。時に厳しい指導もあると推測します。法律に触れなければ何をしてもいいという考え方もあるでしょう。
まとめ
ホストクラブにうっかり無防備で行ってしまうと、高額な料金を支払うことになる場合があります。法律に触れないお店でも、行けば行くだけお金がかかるようになっています。
ホストクラブには利益を上げるようなマニュアルがあることを知って、近寄らないことが賢明。もし行くとしても、ホストクラブがどのような場所であるかを知った上で、身を守る姿勢は大切に思います。